「吾輩は猫である。」「こころ」「坊ちゃん」「千円札の顔」等で有名な夏目漱石。
皆さんはどんな人物か知っていますか。
彼の本も面白いですが、彼自身もまた面白いのです。
今回は、そんな夏目漱石の面白エピソードを5選紹介していきます。
1、月がきれいですね
皆さん「月がきれいですね」というフレーズを聞いたことはありませんか?
「月がきれいですね」=「あなたが好きです」という意味。なぜ?
となったことはないでしょうか。
この出どころは「夏目漱石」が教師時代にある生徒に言った言葉がきっかけです。
彼は英語の教師をしていました。
ある学生が「I Love you」を「あなたを愛しています」と訳したところ、夏目漱石はその学生を叱ります。
「そういうものは、月がきれいですね、とでも訳しておけ」と。
こんな授業中のエピソードが今ではロマンチックに語られているのですね。
2、負けず嫌いエピソード
夏目漱石は超がつくほどの負けず嫌いです。
こんなエピソードがあります。
授業中、学生に「先生、辞書と違います」と間違いを指摘されました。
漱石は、「辞書が間違っている。直しておけ。」と学生に言い返した話は有名です。
もう一つ、あげましょう。
授業中机に手をのせてない学生に「君、腕を出しなさい」と叱ります。
「片腕なんです」その学生には腕がありませんでした。
ここでひるまないのが「夏目漱石」
「私も無い知恵をしぼり授業をしているんだ。君もたまにはない腕を出したまえ」といったそう。
学生も気の毒でしたね。。。
そもそも夏目漱石のペンネームの由来もなかなか負けず嫌いなのです。
3、夏目漱石の名前の由来
夏目漱石の本名は「夏目 金之助(きんのすけ)」
「漱石」というペンネームは中国の負けず嫌いの人の故事からとっています。
こんな故事です。
中国、晋の国の孫楚(そんそ)という人が
「石を枕に、流れ(川の水)で口を漱(すす)ぐような生活がしたい」と言おうとしたところ
「流れ(川の水)を枕に、石で口を漱(すす)ぐような生活をしたい」と間違えて言ってしまいます。
間違っていることを指摘されると
「俗世間(ぞくせけん)でけがれた耳を洗いたいから流れを枕にして
「俗世間(ぞくせけん)のいやしい物を食べた歯を磨きたいから石で口を漱(すす)ぐのだ」と言い訳しました。
夏目漱石はこの話をなんて良い話なんだとペンネームにしたんだとか。え。
4、執筆中の夏目漱石
夏目漱石はとても神経質で、鬱だったのではないかと言われています。
中でも漱石の精神状態が悪い時は、家族全員抜き足、差し足状態でした。子どもたちは何のために叱られているかわからず、奥さんは髪の毛を引っ張られ、剥げてしまったとか。奥さんが剥げているエピソードは「吾輩は猫である」の作中にも面白可笑しく書かれています。が、やられた側はひとたまりもないですよネ。
執筆中行き詰まると、鼻毛を抜いて原稿用紙に並べていたエピソードもあり、そちらも「吾輩は猫である」の作中に書かれています。
ここら辺のエピソードは長尾剛さんの「吾輩は鬱である」という本を読むと夏目漱石の置かれた状況を知ることができます。なるほど、それは鬱になる。。。と夏目漱石をより深く知ることができますよ。
5、甘いもの大好き
夏目漱石は甘いお菓子が大好きだったそうです。ですが彼は、胃潰瘍、糖尿病、結核、痔、リウマチ。。。
お医者様に甘いものをやめるよう言われても、甘いものを食べ続けていました。
いかがでしたでしょうか。
千円札のあのひとは、こんなエピソードを持つ強者文豪なのです。
もっと「夏目漱石」を知りたい!という人は
先ほど紹介した長尾剛さんの「吾輩は鬱である」
関根尚「日本文学のススメ」 などを見るとより深く夏目漱石を知ることができるのでおすすめします。
ぜひ、見てみてくださいね。